産経新聞 2023.10.24
防衛省が、沖縄県を中心とした南西諸島防衛を担う陸上自衛隊第15旅団を師団に格上げする時期を令和8年度とする方向で調整していることが、分かった。政府関係者が24日、明らかにした。中国が東シナ海などで軍事活動を活発化させる中、台湾有事などに備えた南西地域の防衛体制強化の一環で、現在の1個普通科連隊を2個連隊とするのをはじめ、3千人規模に増強する。
師団化に伴い、司令官は陸将補から陸将に格上げする。約4900~7700人を擁する他の師団よりも規模は劣るが、沖縄県に司令部を置く米海兵隊第3海兵遠征軍(ⅢMEF)の司令官(中将)と階級を同格とし、より密接な連携を図る。
普通科連隊のほか通信、施設、後方支援の部隊も増強する。有事における国民保護の実効性を高めるため、熊本県の健軍駐屯地に司令部を置く西部方面隊の行政機能を一部移管し、住民避難などについて地元自治体との調整も担わせる。
政府は昨年12月に閣議決定した国家安全保障戦略など安保3文書で、南西防衛をさらに強化する方針を打ち出し、9年度までに第15旅団を師団に改編する方針を示した。
第15旅団は平成22年3月に第1混成団を格上げして発足した。那覇駐屯地に司令部を置き、歩兵部隊にあたる普通科連隊のほか、防空を担う高射特科連隊、偵察隊などで構成されている。現在は約2500人が所属する。
沖縄は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での活動を恒常化させるなど海洋進出を強める中国と対峙(たいじ)する最前線だ。防衛省は28年以降、第15旅団の管轄区域に含まれる沖縄県の与那国島(与那国町)、宮古島(宮古島市)、石垣島(石垣市)に順次、駐屯地を開設し、陸自拠点の空白を埋めてきた。
安保3文書では第15旅団を除く全国の14師団・旅団の運用について、有事の際には南西諸島に増援に駆け付ける機動展開を基本とする方針を打ち出した。