朝日新聞 2020年8月8日

 防衛省は7日、米軍機の訓練候補地である馬毛島(鹿児島県)の整備計画を公表した。滑走路を2本つくり、事実上空母化される予定の護衛艦「いずも」の艦載機や、自衛隊のオスプレイの訓練も行う可能性がある、としている。工期は約4年と示したが、着工や訓練開始の時期は明示しなかった。

 山本朋広副大臣がこの日、同県を訪れ、地元首長らに説明して理解を求めた。
 整備計画によると、島全域を「自衛隊馬毛島基地」として整備し、年間を通じ様々な自衛隊の訓練に使用する。維持管理などのため基地で常勤となる隊員は150~200人で、官舎は約12キロ離れた種子島に設ける。滑走路は2450メートルと1830メートルの2本を整備し、管制施設や警備のための武器や火薬庫も置く。

「馬毛島」整備計画
「馬毛島」整備計画

 米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)は、年に1、2回、それぞれ10日間ほど実施される見通しで、飛行経路は種子島上空にはかからない。騒音の影響は今後、環境影響評価(環境アセスメント)により把握して対策をとる、としている。
 自衛隊の訓練では、既存の戦闘機の離着陸や、護衛艦「いずも」に艦載予定の新しい戦闘機の模擬発着艦が行われる可能性がある。そのほか、陸自のオスプレイや、空自の地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」の訓練も想定されている。
 環境アセスメントは今秋から始まる予定だが、どのぐらいかかるかは未定で、着工できるのはその後となる。着工や訓練開始の時期は「まだ示せない」(省担当者)という。
 馬毛島を抱える西之表市の八板俊輔市長は、山本副大臣らから施設配置案などの説明を受け、「不明なところが増えたという感じもある。整理した上で疑問点を申し上げたい」と話した。八板氏はFCLPによる騒音について、防衛省側から「現段階で正確に見積もることはできない」とされたことなどに疑問を示した。
 山本副大臣らはその後、県庁で塩田康一知事にも同様の内容を説明。塩田知事は会談後、「基地や訓練の必要性の議論をもう少し詰める必要がある」と述べた。
 馬毛島は面積約8平方キロの無人島。防衛省は昨年11月、島の99%を所有していた開発会社から土地を購入することで同社と合意し、整備計画づくりを進めていた。