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日経 2020/01/20
防衛省は2020年度から宇宙やサイバーといった新領域での防衛を強化するため人員配置を見直す。陸上、海上自衛隊の定員を計100人超減らし、宇宙防衛を担う航空自衛隊やサイバー防衛にあたる陸海空の共同部隊などの人員を拡充する。新領域に対応する部門に人員を手厚く配置し、国際的な安全保障環境の変化に備える。。
防衛省は20日召集の通常国会に防衛省設置法の改正案を提出し、自衛隊の定数を改める。近く改正案を閣議決定する。
政府が18年末にまとめた防衛大綱では宇宙やサイバーといった新領域での防衛について「死活的に重要」と位置づけた。従来の陸海空自衛隊の垣根を越えた「領域横断(クロス・ドメイン)作戦」を展開する方針も盛り込んだ。
米国や中国をはじめ各国が宇宙やサイバー空間を巡る防衛の能力強化を競っており、日本は後れを取っているとの指摘もある。防衛省は20年度から縦割りを排した体制強化に乗り出す。
宇宙領域への対応では空自の府中基地(東京都府中市)に「宇宙作戦隊」を約20人で新たに編成する。23年度には人工衛星を使った宇宙状況監視(SSA)を開始し、最終的に100人規模に増やす。サイバー領域への対応では陸海空の各部隊混合で構成する「サイバー防衛隊」を現在の220人から290人態勢へと拡充する。
これらの部隊新編に伴い、自衛隊の定数を定める防衛省設置法6条を改正する。空自を20人、サイバー防衛隊に入る「共同の部隊」を68人、国内外の軍事情報を扱う「情報本部」を14人それぞれ増やす。陸自は82人、海自は27人削減する。自衛隊全体として24万7000人体制は維持する。国際社会では陸海空という従来の領域に新たな領域を組み合わせた領域横断作戦が主流となっている。サイバー攻撃による被害はサイバー空間にとどまらず、国の重要インフラが狙われれば実社会で大きな被害が出る。情報収集や安全保障上の作戦の遂行・指揮などで活用する人工衛星への電波妨害も防衛体制を揺るがしかねない。中国やロシアは新領域での攻撃能力を高めているとされ、米軍も19年に「宇宙軍」を発足させた。各部隊の定員の見直しに併せ、無人偵察機「グローバルホーク」を運用する部隊を創設する準備にも着手する。空自三沢基地(青森県三沢市)に70人態勢で整備し、21年度の活動開始をめざす。グローバルホークは広域を長時間偵察可能で、中国や北朝鮮の軍事動向を監視する狙いがある。河野太郎防衛相は17日の記者会見で「自衛隊が新領域で能力を伸ばしていくのは重要な課題だ。宇宙作戦隊の新設やサイバー部隊の増員などやらねばならないことは山積みだ」と指摘した。 |